PLAY VIDEO the Unexpected Form 映像|2014 安達 裕平 東北芸術工科大学大学院 作家についてのお問合せ 審査員コメント この作者の作品を見るといつも不思議に思うのは、これ以上ありえないくらいにシンプルな方法論とビジュアルのように見えるのに、それが身体や心の奥底までズーンと響いてくるようなプリミティブなエナジーを持ってしまっているということである。なんなのだろう、はっきりいって謎だ。僕はこの作品について気の利いたことは何も言えなくて、とにかく謎。これは褒めてます、すごく。 土居 伸彰 アニメーション研究・評論 3DCGの男性2人が、歩きながらポリゴンを減らしていく。その過程で、コンピューターが捉える人体像の、その基盤にある原理や体系のようなものが徐々にあらわになっていく。それは私たちが人体について持っているイメージの在り方とはどうも異なる。彼らはピクセルとはまた別に、3DCGに特化した何かしらの単位を持ち、それらをパラメトリックに集合させることによって、離散的に像を捉えているらしいことがなんとなく感じられる。そうこうしているうちに、かつて私たちが「足」や「腕」、「頭」と呼んでいた部位が徐々に消失し、人体というよりもむしろ「複雑な幾何形体」とでも呼んだほうがふさわしい形状になる。そして、あっと言う間にただの三角錐になる。しかし、どういうわけか浮遊する三角錐が人間に見えてしまう自分がいる。1分40秒の間にちょっとずつ新しいリアリティーを植え付けられてしまったような、そういう静かな衝撃がある。 渡邉 朋也 作家 2023 アート&ニューメディア部門 映像&アニメーション部門 ゲーム&インタラクション部門 パートナー賞 2022 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ表彰 2021 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ表彰 2020 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ賞 2019 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ賞 2018 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ賞 2017 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ賞 2016 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ賞 2015 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ賞 2014 受賞作品
この作者の作品を見るといつも不思議に思うのは、これ以上ありえないくらいにシンプルな方法論とビジュアルのように見えるのに、それが身体や心の奥底までズーンと響いてくるようなプリミティブなエナジーを持ってしまっているということである。なんなのだろう、はっきりいって謎だ。僕はこの作品について気の利いたことは何も言えなくて、とにかく謎。これは褒めてます、すごく。
3DCGの男性2人が、歩きながらポリゴンを減らしていく。その過程で、コンピューターが捉える人体像の、その基盤にある原理や体系のようなものが徐々にあらわになっていく。それは私たちが人体について持っているイメージの在り方とはどうも異なる。彼らはピクセルとはまた別に、3DCGに特化した何かしらの単位を持ち、それらをパラメトリックに集合させることによって、離散的に像を捉えているらしいことがなんとなく感じられる。そうこうしているうちに、かつて私たちが「足」や「腕」、「頭」と呼んでいた部位が徐々に消失し、人体というよりもむしろ「複雑な幾何形体」とでも呼んだほうがふさわしい形状になる。そして、あっと言う間にただの三角錐になる。しかし、どういうわけか浮遊する三角錐が人間に見えてしまう自分がいる。1分40秒の間にちょっとずつ新しいリアリティーを植え付けられてしまったような、そういう静かな衝撃がある。