ゴリラのぼり

ゴリラのぼり

インタラクティブアート|2014

阿部 舜

東京藝術大学大学院

審査員コメント

  • トイレットペーパーを引っ張るという手の記憶、(ママに怒られるけど)それをぐるぐるする快感、振り返える目線はつい見てしまう目の習慣など、見る側の身体のなかに既に用意されている「スイッチを押す」のは作品の方である。サンタクロースは存在しないことを知った後でも、もらうと嬉しいクリスマスプレゼントのような「インタラクティブ・アート」。(わかりにくいかな

    馬 定延(マ・ジョンヨン) メディアアート研究・批評
  • 保育園、幼稚園に設置したら確実にトイレットペーパーの消費量が増えてしまう作品です。簡単な表現だからこそ、その魅力も大きく、心揺さぶる作品になるのだと思いました。「車窓から見える電線上をひた走る忍者」を想起させる表現は、全年齢推奨の愛すべき妄想の「見える化」だと思います。この作品を見る人触る人は、その単純な仕組みと行動によって全員が笑顔になれる、そんな遊び心溢れる素晴らしい作品です。作者の今後の作品にも期待しています。

    小村 一生 プロデューサー/ワンオアエイト
  • シンプルな作品ながらメディアアートとしても子供向けの玩具としても非常に完成度の高い作品に仕上がっている。子供の頃に描いたパラパラ漫画やゾートロープ等のアニメーションにトイレットペーパーを使用した縦の移動を使用する事で新鮮な作品性となっているのは盲点を着いていて斬新。この概念を応用していけば更に新しい作品やコンテンツを生み出す可能性も感じられる。

    谷口 充大 ディレクター/テトラ