PLAY VIDEO 指人形 ボートに立つ/山を下る インタラクティブアート|2014 宇治土公 雄介 東京大学大学院 作品Webサイトhttp://yusuke-ujitoko.hatenablog.com/ 作家についてのお問合せ 審査員コメント 恐らくは、UIやUX研究であるとか、生体心理学などの研究がバックグラウンドにある作品のように見えるが、近年のスマートフォン、タブレットPCのタッチインターフェースから、指人形というアバターが抽出されているように感じられる流れも見えて面白い。(これまでは、マウスカーソルがデスクトップ上のアバターだった。)「ボートに立つ」方は実際に水に浮かんだボールの振動や傾きをリアルタイムなCGの映像へフィードバックしているが、「山を下る」のほうでは実写映像の再生速度の調整だけをボールからフィードバックしていて、その映像内での足場の不安定さは単にイメージ上での同期でしかない。そういった2つの作品の構造と着眼点の違いも面白い。作者自身がリハビリなどへの展開の可能性も示唆しているが、今後のそうした展開を見てみたい。 谷口 暁彦 作家 指人形というのは、文字のようなある種の記号だと思っていたが、よくよく考えてみると、歩くことしかできない縮減されたかたちの私と言えるのかもしれない。それがこの作品では、技術的に拡張されて仮初めの視覚が与えられる。自分はこの作品を実際に体験していないので、ここからはどうしても憶測の域を出ないが、そのような拡張の結果、指人形の脚をかたちづくる私の指が、私でありながら私ではない、指人形という独立した存在の脚としての実感を形成するのではないか。この調子で彼に聴覚を与え、腕を与え、全てを与えたら、どうなるだろうか。「寄生獣」に登場するミギーのように、高度な知性を持った存在が宿るだろうか。そういう期待感と恐怖をこの映像から感じる。なにはともあれぜひ体験してみたい。 渡邉 朋也 作家 2023 アート&ニューメディア部門 映像&アニメーション部門 ゲーム&インタラクション部門 パートナー賞 2022 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ表彰 2021 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ表彰 2020 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ賞 2019 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ賞 2018 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ賞 2017 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ賞 2016 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ賞 2015 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ賞 2014 受賞作品
恐らくは、UIやUX研究であるとか、生体心理学などの研究がバックグラウンドにある作品のように見えるが、近年のスマートフォン、タブレットPCのタッチインターフェースから、指人形というアバターが抽出されているように感じられる流れも見えて面白い。(これまでは、マウスカーソルがデスクトップ上のアバターだった。)「ボートに立つ」方は実際に水に浮かんだボールの振動や傾きをリアルタイムなCGの映像へフィードバックしているが、「山を下る」のほうでは実写映像の再生速度の調整だけをボールからフィードバックしていて、その映像内での足場の不安定さは単にイメージ上での同期でしかない。そういった2つの作品の構造と着眼点の違いも面白い。作者自身がリハビリなどへの展開の可能性も示唆しているが、今後のそうした展開を見てみたい。
指人形というのは、文字のようなある種の記号だと思っていたが、よくよく考えてみると、歩くことしかできない縮減されたかたちの私と言えるのかもしれない。それがこの作品では、技術的に拡張されて仮初めの視覚が与えられる。自分はこの作品を実際に体験していないので、ここからはどうしても憶測の域を出ないが、そのような拡張の結果、指人形の脚をかたちづくる私の指が、私でありながら私ではない、指人形という独立した存在の脚としての実感を形成するのではないか。この調子で彼に聴覚を与え、腕を与え、全てを与えたら、どうなるだろうか。「寄生獣」に登場するミギーのように、高度な知性を持った存在が宿るだろうか。そういう期待感と恐怖をこの映像から感じる。なにはともあれぜひ体験してみたい。