物語たちへ アニメーション|2016 山中 澪 東京藝術大学大学院 ART DIVISION SILVER 作家についてのお問合せ 審査員コメント アニメーションの中で舞台作品的な試みを行い、それらが混ざって軽やかな世界を作り出した。普通、物語は始まりから終わりまである流れを持っているものだが、この作品は『物語たちへ』というタイトルを持ちながら、同時多発的に始まり話を追う間に終わってしまう。物語、そしてアニメーションや舞台的手法それぞれが錯綜する魅力がある。錯綜する表現手法の”リアリティ”について、作者がどのように考えているのか、興味深い。 久納 鏡子 アーティスト 物語の中心・焦点をバラけさせることはアニメーションにおいては未だに掘り下げきれていないやり方で、この作品はそこに真っ向から取り組む意欲作だ。4つの物語がひとつの像を結ぶことに失敗しているように思えたので公開審査の際には「偉大なる失敗作」と言ってしまったが、何度も観たあと、統一されないままに、複数のままに、物語を浴びる「分からなさ」「理解しきれなさ」のままでいることこそが重要なのだと認識を変えるようになった。アニメーションを新たな方向に進める、偉大なる一歩。 土居 伸彰 アニメーション研究・評論 2023 アート&ニューメディア部門 映像&アニメーション部門 ゲーム&インタラクション部門 パートナー賞 2022 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ表彰 2021 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ表彰 2020 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ賞 2019 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ賞 2018 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ賞 2017 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ賞 2016 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ賞 2015 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ賞 2014 受賞作品
アニメーションの中で舞台作品的な試みを行い、それらが混ざって軽やかな世界を作り出した。普通、物語は始まりから終わりまである流れを持っているものだが、この作品は『物語たちへ』というタイトルを持ちながら、同時多発的に始まり話を追う間に終わってしまう。物語、そしてアニメーションや舞台的手法それぞれが錯綜する魅力がある。錯綜する表現手法の”リアリティ”について、作者がどのように考えているのか、興味深い。
物語の中心・焦点をバラけさせることはアニメーションにおいては未だに掘り下げきれていないやり方で、この作品はそこに真っ向から取り組む意欲作だ。4つの物語がひとつの像を結ぶことに失敗しているように思えたので公開審査の際には「偉大なる失敗作」と言ってしまったが、何度も観たあと、統一されないままに、複数のままに、物語を浴びる「分からなさ」「理解しきれなさ」のままでいることこそが重要なのだと認識を変えるようになった。アニメーションを新たな方向に進める、偉大なる一歩。