ある過去にずっと戻りたくて、帰り道を探しているオートバイの物語だ。 私の子供の時、この「幸福」と呼ばれたオトーバイと出会って、そして「幸福」は売られた。でも、あれから10年が経って、大学の前で「幸福」ともう一度巡り会えた。 鍵がかかっていなくて、古くて傷だらけだった。きっと様々な人と出会い 、そして多くの事を経験してきたのだろう。私には「幸福」がとても自由な存在に思えた。あの時、「幸福」といろんな話をして、ここからが人生の始まり、もう過去は振り返らず、お互いの未来へ進もうと約束した。 この出来事をきっかけに、この物語を描いた。
作者が体験した、一台のオートバイとの出会い、別れ、再会を、オートバイ側の視点から描いたアニメーション作品。オートバイによって語られる「あの家に帰りたい」「今を生きられないが、過去にも戻れない」など思いは、実は作者自身の思いであり、オートバイもこう思っていてくれたら良いな、という願いである。個人的な出来事を、素朴に、個人映画として形にすることの美しさを改めて感じさせられた。