ENTERTAINMENT DIVISION GOLD
東京の都市景観をアニメーションで表現する作品です。風に吹かれるままに飛んでいくビニール袋を追いかけていく中で、街並みが展開されていきます。作品の舞台は東京大学のある本郷や四谷荒木町、東中野のような土地に高低差のある街をモデルに作った架空の街です。街並みの絵としての描写は、細密描写にこだわらずマッスとしての表現を目指しました。街並みを散策して歩きながら観察することが好きで、かつアニメーション作品における景観の表現にとても興味がありました。歩いているときの動的な視点で表現する際に、作画による背景動画が一番しっくり来ると思い、このような作品を作りました。
カメラワークがとても大胆でいながらもしっかりと追っていける丁寧さ。ビニールが飛んでいるだけなのに引き込まれてしまいました。風の音やビニールの音もとてもよく練られています。
ビニール袋が浮遊し、街を駆け抜けていく。シンプルな映像の構成のみで作品を引っ張っていく映像の力強さを感じる。 単純化された町並みは不思議な夢を見えているような錯覚を与え、緩やかな心地よさに包まれた。
でこぼこした街の中をビニール袋が風まかせにぐるぐると飛び回る。誰もが年に数回は目にする何気ない風景を描いたアニメーション作品。
ビニール袋・街・動き・音、そのどれかひとつがメインというわけでなく、面としてこの作品のもつ世界観を作り上げている。再生を止めてしまうと完全に抽象画に見えるほど描写は簡略化されているのに、動きの中で見るとその色面や線の変化がかえって豊かで気持ちよく感じる。