ENTERTAINMENT DIVISION GOLD
大人になるにつれて、他人と本音で話したり、ぶつかり合ったりするような機会はだんだんと減っていく。話題の本や映画も、たとえ世間の評価と自分の評価との間に食い違いがあったとしても、とりあえず多数派の意見に合わせておくのが無難だ。しかし、そうやって無難に過ごしていると、私はときどき「自分の本心を隠し、言いたいこともオブラートで包んで、一体何を守ろうとしているのだろう?」という疑問を感じることがある。普段のそういった思いから、本作では「集団の和を保つために嘘をつく人たちへの反逆」をテーマにしようと考えた。そして、集団に合わせることのできない「困ったちゃん」キャラの主人公が、他のまともな子たちの作り上げた「和の空気」をひたすらぶち壊す様を描こうと試みた。
キャラクターデザインは凄くシンプルなのに感情表現は凄く豊か、また表現される感情がキュートな色使いとは裏腹に辛辣。然もただ辛辣なだけでなく、世相を確かに反映している。モチーフや音楽の当て方も工夫を感じさせ、全体的に高いセンスを持つ作家だと思います。