あかばしは落ちた
アニメーション|2018
森永 大貴
東京藝術大学

ART DIVISION SILVER
熊本地震により落橋した阿蘇大橋をモチーフとして発想した物語。あかばしは深い谷に架かる橋だ。あかばしはたくさんの人が通るが嫌われ者であった。そんな中あかばしは落橋してしまう。
アニメーション|2018
森永 大貴
東京藝術大学
ART DIVISION SILVER
平成28年(2016年)熊本地震の地元出身者として遠く離れた所にいる作者はリアリティが無く、
「なんとなく悲しい」と感じたそうだ。崩落した阿蘇大橋を頭の無い赤い明太子のようなキャラクターに置き換えて物語られる。
1971年に阿蘇大橋が開通したことによって地元が賑わい、地域に貢献したプラス面と、開通後、阿蘇大橋からの投身自殺が相次いだマイナス面を、淡々と絵でも立体でもないような不思議な世界観のアニメーションで創作している。
マスメディアの中では見えてこない社会の矛盾や隠蔽された問題、個人的な喪失や悼みを作者は提示している。
遠くで起こった震災に対して、直接に関与できなかったもどかしい感情を、そこはかとないユーモアを醸成させることで、誰もが感じる「なんとなく悲しい」を描き出した。