PLAY VIDEO マイリトルゴート アニメーション|2018 見里 朝希 東京藝術大学大学院 ART DIVISION PLATINUMENTERTAINMENT DIVISION PLATINUM 作者Webサイト https://vimeo.com/user19185087 オオカミに食べられてしまった子ヤギ達を胃袋から助け出すお母さんヤギ。しかし、長男のトルクだけが見つからない! 作家についてのお問合せ 審査員コメント 心に残る、素晴らしいアニメーション作品である。羊毛フェルトの愛らしい子羊達が、命を吹き込まれて画面を縦横無尽に動き回る。グリム童話の「七匹の子山羊」をベースにした物語は、狼の腹をハサミで切り裂く母羊の衝撃的なシーンで始まる。次々と引き出される胃液で変形した六匹の子羊にも度肝を抜かれる。後日七匹目のお兄ちゃんの登場から、童話の世界と現実世界の境界線があいまいになる。特に後半のアクションシーンは圧巻だ。 差別・行き過ぎた親の愛・そして正義について作者は観客に問いかけてくる。この物語の構成に加えて、作者は、アニメーションとしての動き、カメラワークと照明効果、音響効果、卓越した技術力と演出力でたたみかけてる。見里朝希君は、武蔵野美術大学の視覚伝達デザイン学科での卒業制作「あたしだけをみて」、進学した東京藝術大学の進級制作での「Candy. zip」と3年連続して本コンペティションに挑戦し、受賞を重ねてきた。その成長も素晴らしい。まさにCampus Genius Contestにふさわしい平成最後のグランプリである。 陣内 利博 武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科 教授 学生CGコンテストの「常連」とも言える見里朝希氏、コマドリアニメーションの手法に拘りつつも、扱う素材やテーマを作品毎に変える挑戦的な作家だ。今回の受賞作は一層の意欲作。見里氏のシグニチュアとも言える可愛いキャラクターデザインや、もはや熟練の域に達したアニメーション力に目を奪われつつ、グリム童話にインスパイアされた本作はドメスティック・バイオレンス、過保護親をはじめ、現代社会が直面する様々な課題が色濃く反映されている。分かったようで分からない何とも云えぬ気持ちを解消すべく、作中に散りばめられた細かいニュアンスにヒントを求め、何度も観てしまう粘着力のある作品だ。圧倒的な得意技を持ちつつ、常に新しい境地を求め続ける見里氏の今後に期待して止まない。 塩田 周三 代表取締役/株式会社ポリゴン・ピクチュアズ 可愛いキャラクターと不穏なムード、グロテスクなテクスチャと捻りのあるストーリー。ここまでやってくれたら何も文句はありません。 文句はないけど、おねだりを。 子羊たちは人間を見て「狼だ」と言い隠れます。そして人間が狼の姿になると出てきて戦います。僕は初見で「狼が人間に化けていた」のか「人間の狂気を狼の姿で表現している」のか混乱し、せっかくのアクションシーンに入り込むことができませんでした。「人間だ」と言って隠れた子羊たちが、恐ろしい姿となった人間を「狼だ」と誤解し、より恐れ、それでもその恐怖に打ち勝ち、戦う、なぜなら「兄弟」を助けるために、という流れの方が気持ちよく見られたような気がします。 このような場所で個人的なおねだり、すみませんでした。今後、見里さんが世界中の人々を魅了する(ガッポリ稼げる)エンターテインメント作品を作ってくれる事を、願い、信じています。 大山 慶 プロデューサー/株式会社カーフ代表取締役 この作品は完全なハッピーエンドではないので、見終わった後、複雑な余韻に浸り考えさせられる作品であった。 父親の子供に対する狂気と、母羊の子羊に対する行き過ぎた愛情。 このどちらも演出として上手く表現出来ている。 観る人を飽きさせない構成と、24fpsでのコマ撮りの高いアニメーション技術も素晴らしく、前作のポップな世界観とはまた異なる、可愛さの中に怖さを融合させた世界観が魅力的である。 6匹の子羊それぞれに特徴(怪我の状態も含め)が出ていて、顔の表情など1匹1匹に個性を持たせて作成されてあるのには驚かされた。 今後どんな作品で驚かされるか、とても楽しみである。 須貝 真也 CGIディレクター/サブリメイション 2023 アート&ニューメディア部門 映像&アニメーション部門 ゲーム&インタラクション部門 パートナー賞 2022 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ表彰 2021 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ表彰 2020 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ賞 2019 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ賞 2018 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ賞 2017 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ賞 2016 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ賞 2015 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ賞 2014 受賞作品
心に残る、素晴らしいアニメーション作品である。羊毛フェルトの愛らしい子羊達が、命を吹き込まれて画面を縦横無尽に動き回る。グリム童話の「七匹の子山羊」をベースにした物語は、狼の腹をハサミで切り裂く母羊の衝撃的なシーンで始まる。次々と引き出される胃液で変形した六匹の子羊にも度肝を抜かれる。後日七匹目のお兄ちゃんの登場から、童話の世界と現実世界の境界線があいまいになる。特に後半のアクションシーンは圧巻だ。
差別・行き過ぎた親の愛・そして正義について作者は観客に問いかけてくる。この物語の構成に加えて、作者は、アニメーションとしての動き、カメラワークと照明効果、音響効果、卓越した技術力と演出力でたたみかけてる。見里朝希君は、武蔵野美術大学の視覚伝達デザイン学科での卒業制作「あたしだけをみて」、進学した東京藝術大学の進級制作での「Candy. zip」と3年連続して本コンペティションに挑戦し、受賞を重ねてきた。その成長も素晴らしい。まさにCampus Genius Contestにふさわしい平成最後のグランプリである。
学生CGコンテストの「常連」とも言える見里朝希氏、コマドリアニメーションの手法に拘りつつも、扱う素材やテーマを作品毎に変える挑戦的な作家だ。今回の受賞作は一層の意欲作。見里氏のシグニチュアとも言える可愛いキャラクターデザインや、もはや熟練の域に達したアニメーション力に目を奪われつつ、グリム童話にインスパイアされた本作はドメスティック・バイオレンス、過保護親をはじめ、現代社会が直面する様々な課題が色濃く反映されている。分かったようで分からない何とも云えぬ気持ちを解消すべく、作中に散りばめられた細かいニュアンスにヒントを求め、何度も観てしまう粘着力のある作品だ。圧倒的な得意技を持ちつつ、常に新しい境地を求め続ける見里氏の今後に期待して止まない。
可愛いキャラクターと不穏なムード、グロテスクなテクスチャと捻りのあるストーリー。ここまでやってくれたら何も文句はありません。
文句はないけど、おねだりを。
子羊たちは人間を見て「狼だ」と言い隠れます。そして人間が狼の姿になると出てきて戦います。僕は初見で「狼が人間に化けていた」のか「人間の狂気を狼の姿で表現している」のか混乱し、せっかくのアクションシーンに入り込むことができませんでした。「人間だ」と言って隠れた子羊たちが、恐ろしい姿となった人間を「狼だ」と誤解し、より恐れ、それでもその恐怖に打ち勝ち、戦う、なぜなら「兄弟」を助けるために、という流れの方が気持ちよく見られたような気がします。
このような場所で個人的なおねだり、すみませんでした。今後、見里さんが世界中の人々を魅了する(ガッポリ稼げる)エンターテインメント作品を作ってくれる事を、願い、信じています。
この作品は完全なハッピーエンドではないので、見終わった後、複雑な余韻に浸り考えさせられる作品であった。
父親の子供に対する狂気と、母羊の子羊に対する行き過ぎた愛情。
このどちらも演出として上手く表現出来ている。
観る人を飽きさせない構成と、24fpsでのコマ撮りの高いアニメーション技術も素晴らしく、前作のポップな世界観とはまた異なる、可愛さの中に怖さを融合させた世界観が魅力的である。
6匹の子羊それぞれに特徴(怪我の状態も含め)が出ていて、顔の表情など1匹1匹に個性を持たせて作成されてあるのには驚かされた。
今後どんな作品で驚かされるか、とても楽しみである。