had lived

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アニメーション|2018

さとうゆか

北海道教育大学大学院

作者Webサイト https://satoyuka.jimdo.com

これはひとつの死についての作品だ。祖母が亡くなってから見たもの、記憶に残ったもの、残っていないもの、考えたことを描いた。 花を棺に入れることや、死に装束を着せること、出棺、火葬など。祖母の葬式でみたものやその記憶、その日見た夢をアニメーションで描く。 時が経つと記憶も思いも生も死もすべてまざっていく。

審査員コメント

  • 佐藤さんはいくつかの作品を応募してくれていて、そのどれもリズミカルで抽象的で、なんだか気になるものばかり。

    本作は、彼女のおばあさんが亡くなった日に見た夢や、その後の記憶についてを描いたものであるという。ゴムハンコのざらっとした質感、気持ちのよい動きと色、目に優しいけれど、すこしおどおどした不安な気持ちがただよう。

    静かなバイオリンの曲に重ねた小さなノイズが入っていて、そこにはごそごそと動き明るくも暗くもない会話をしている人の気配がある。というか、作品を通して、音にも映像にも、ずっと淡々とした人の気配がある。

    具象的でわかりやすいコンテンツに評価が集まる傾向があるソーシャルメディア時代において、このように個人的な感覚と向き合い、気配を丁寧に拾い上げようとする姿勢に、私は強く「いいね」を送りたいと思う。

    萩原 俊矢 ウェブ・デザイナー