ENTERTAINMENT DIVISION BRONZE
「身勝手な人間たちが星を食い潰した。
星は人が住めるような環境ではなくなり、皆は他の星へ移住した。
だが、少女は一人自分の意志で星に残った。
名前はイヴ。
そんな一人の少女の物語。」
絶望の中にか細く光る希望というものをテーマに置き、誰もいなくなった宇宙船の退廃的かつノスタルジックな風貌を用いて、どこかしら“虚しさ“を感じさせる作品を目標にこのゲームを制作した。
映像作品とはせずゲーム方式である事は、この物語を自らの手で進めて、物語に関われるといった感覚を体感することを目的に、プレイヤーからの入力を必要とするゲームという手法を採用したからである。
テーマの通り、何も残らない虚しさではなく、ほんの少しの希望が残るような虚しさである。
それによって、この星の未来を想像出来ることを狙いとしている。
このゲームのテーマを強調する目的として、白と黒の線画のようなグラフィックを採用するに至った。また、使用したゲームエンジンはUnityである。
2020年7月頃から制作を始め、音楽を除く、グラフィックやプログラムなどは全て私一人で制作し、3ヶ月半程で完成に至った。
ゲームエンジンを使った「ほぼ」映像作品。移動キー入力でほんの少し主人公として物語に干渉している事を感じることができて、単なる映像作品とは微妙に毛色が違う所が良い。モノトーンの世界でまとめている潔さと、最後にほんの少しだけ入る色味が好印象で、作者から作りすぎない丁度いいバランス感覚を感じる。所々気になるカメラワークや衣服のめり込みなどなど、ほぼ魅せるための作品なので細かなところにもこだわって欲しかったと思うものの、こういった品質をこの年令で制作できていることに驚き。今後の成長を期待しています。