META-morphose
ミュージックビデオ|2021
新旧様々なディスプレイ20台を用いた、インスタレーション型のミュージックビデオを制作した。
ディスプレイ同士はすべて同期しており、映像に登場するオブジェクトはそれぞれ画面内を行き来して展開する。新旧の画面の境界を越えたオブジェクトは、そのディスプレイが使用されていた時代の表現に合ったグラフィックへと変化していき、映像が遷移していく。
また、実展示の様子を再撮影し、1つの「ミュージックビデオ」としてパッケージングした。
昨今台頭するVRやARなどの拡張現実的な映像表現や現実と見分けのつかない程緻密でリアルなCGなど、作者が生まれてからたった20年で高次元的な存在へと変化しつつある「映像」というメディアを、主にグラフィックや時代ごとの社会背景、トレンドの変化に着目し、新旧様々なディスプレイ間で姿形を変えながら展開する映像作品として表現した。
新旧20台のディスプレイを用いて展開されたインスタレーション。一見チープに陥りやすいアイデアだが、本作は構造が破綻することなく、9分弱のミュージックビデオ作品として成立させた構成力・技術力を高く評価したい。映像メディア20年史をなぞるコンテンツも興味深いが、ネタとして既視感のあるビジュアルにもなりやすく、今後のさらなる進化を期待したい。