水らしさの広がり
映像インスタレーション|2021
この作品は、現在の自分たちの水に対する感じ方を再確認する試みである。
水は、映画や広告、など幅広く表現のモチーフとして扱われている。その中には、現実の物理現象より誇張された屈折現象のCGや、あり得ないような水の動きを伴ったアニメーションなどを数多く見ることがあると思う。そういった現実ではあり得ない誇張された水の表現に親しみの深い人の中では、水の現象をより広く、捉えられるようになっているのではないか、という仮説を立てた。
この仮説を元に、水の形とディスプレイの映像の関係性を6つの作り、それぞれに「レンズ効果」「反射」「水の抵抗」「水溶」「振動」「波紋」と現象のテーマをつけ、水の現象として映像を鑑賞してもらう作品にした。
それぞれの現象の誇張された映像を見ながら、自身の水に対する感覚の広がりを感じてもらいたい。
水を立体的なスクリーンとして、そこに映し出される様々な美しいパターンのモーショングラフィックスに目を奪われました。インスタレーション作品ではコンテンツがおざなりになるケースが多々ありますが、この作品では展示の外枠に加えて、コンテンツも作り込まれていて素晴らしいです。膨大なアイデアや試行錯誤の中から厳選されたモーショングラフィックスの数々に見入ってしまいました。水らしさとは何か、改めて再認識させられる作品です。