ENTERTAINMENT DIVISION BRONZE
従来紙媒体で読まれてきたマンガというメディアですが、近年スマホ等の電子デバイスによって読まれることも多くなりました。そこには今までになかった電子コミック特有の表現もいくつか生まれているのですが、多くは紙媒体の漫画をそのままデジタルデータに変換した形式に過ぎません。本作は電子デバイスでしか体験できないマンガを目指したAR作品で、現実の風景を背景として活用し、そしてマンガのページをめくるという行為をタップや歩行に置き換えています。カメラ越しに、二人の通学路での何気ない会話を覗くことができます。
こういったものは早い者勝ちですね。単純にアイデアを先取りして、具体例として視覚的見せているところがすばらしいです。実現したときの拡張性の高さや、参入してくるコンテンツ間の交流はきっとすごいことになると思います。プラットフォームが整うと、漫画家はもちろんですが、おそらく漫画という媒体だけでは無く、静止画や写真なども使ったアイデアで、様々な方が新しい表現をその場所にパラレルワールドのように連鎖的に投入するのではないでしょうか?その場所に行ったら、関連するなにかの展開が見える。それを追いかけ、新たなコンテンツや場所にたどり着く。それは、地域の活性化にもつながります。メタバース的な発想で、漫画がMRの世界で拡張性を持つ可能性に目からうろこでした。