WHO AM I ?

WHO AM I ?

イラストレーション|2021

吉田 優鈴

埼玉県立芸術総合高等学校

 今まで当たり前だったことが明日には消えているかもしれない、そんな世界にいてふと不安を感じる時がある。日々変わりゆく社会の中で私達は何をして、どう生きていけばいいのだろうか。  私はそんな時こそ自分としっかり向き合いながら生きることが大切だと考える。まずは一度、周りのこと(社会、会社、学校、家族など)は忘れ自分だけに焦点を置いてみるのである。そして自分の好きなこと、やりたいこと、わくわくすることなどを周りに置いていって欲しい。するとそこには誰でもないあなただけの世界が広がっているはずだ。  社会は常に情報に溢れていて、ついそちらに意識が向いてしまう。もちろん世界にはとても面白くて魅力的なものは沢山あるだろう。しかし、一番大切でかけがえのない存在は自分自身ではないだろうか。本作は、変わりゆく時代に翻弄される1人の人物の一生を描いたものだ。彼は自身を見つめることで自分の内側にもう一つの世界があることに気付く。  あなたも内側にある世界をもっと広げてみてはどうだろう。時間は好むとも好まぬとも過ぎてゆく、どうせなら自分の気持ちに正直に、やりたかったことに挑戦してみて欲しい。  

審査員コメント

  • 個人的には、表現のパワフルさでいうと、コンテスト随一かと思う。絵画ならではの自由な表現と緻密に描き込まれた密度の高い絵、そして、それだけではなく、宇宙にまで飛び出した壮大なスケールに驚いた。若者の持つ無尽蔵なエネルギーとそれを解き放ちたいという欲望が画の隅々から発している。それは、怨念のようなものすら感じた。

    大塚 康弘 ディレクター/株式会社デジタル・フロンティア