対の羽
アニメーション|2021
弘重 友歌
多摩美術大学
主人公が見守る中、友人は旅立っていった。友人が残していった羽のかけらは主人公のものと対になっており、いつも彼のいる方角を示した。主人公はそれを眺め友人の無事を祈り、帰りを待っていた。ある日、羽のかけらが異常な反応を示し、主人公は友人の元へと急ぐのだが…。
大切な人を失う恐怖に直面した際に、激しく揺れ動く心情。しかし、そこには一貫して相手を大切に思う気持ちがあり、温かく、かけがえのないものである、ということを柔らかな描写を通して表現した。
内容的にわかりづらいところもあったが、全行程に渡って、緻密に丁寧に作品が仕上げられているのが素晴らしいと思いました。淡い爽やかさを感じる色彩で統一された水彩画が美しく、それに加えて、音楽が凝っているところにも好感を持ちました。どこかオーソドックスで古典的な印象に聞こえますが、作品の展開に合わせ丁寧に作っているところが美しいです。淡々と進むファンタジックなストーリー展開でしたが、悪夢にうなされるシーンが緩急を感じて良かったです。