最終舟

最終舟

ミュージックビデオ|2021

熊谷 芙美子 sea-no

京都精華大学

PARTNER AWARD

楽曲「最終舟」のミュージックビデオです。 過労死した主人公が過去を振り返り、自分を追い詰めていた「我慢」に気付く物語です。 走馬灯のように記憶を遡る中、まだ幼い自分と向き合い「泣いてもいいよ」と伝えます。 死後の世界に飲み込まれた時、未練を実感した主人公の切ない願いをCGアニメーションで表現しました。

審査員コメント

  • 今現在を生きる若い作家だからこそ、描く資格のある心象風景、世界観ですね。自己のネガティブな内面やストレスに正面から向かい合った結果、出来上がった真摯な作品だと思いました。それは作家として正しい葛藤、正しい資質です。その道のりは苦しく困難かもしれませんが、この作者なら、さらなる高みにたどり着けると感じました。この作者は、繊細でありつつ、強い。次なる作品を期待しています!
    ※作劇の演出的には、まだまだ未熟でもったいない部分も。奥行き移動になるシーンはそこそこ見せ場なので、そこに至る演出に工夫が必要だったかも。冒頭の三途の川の船?の場面は、あと何回かインサートで登場しても良かったのでは。(作者のコンセプトを読むまで、あらためて「主人公が死んでた」ことに気づけませんでした。まぁたぶん、あえて気づけなくても良いのかもしれませんが、一つの解釈へわかりやすく誘導するために、もっと思わせぶりに匂わせても良かったかな?と。そういうあざとい演出を避けたいキモチも理解できる、ウン。まぁそういう折り合いも、数を経験してくうちに掴めてくるとは思います。)

    真壁 成尚 ディレクター/WOW株式会社