PLAY VIDEO 告白夢 アニメーション|2022 施 聖雪 東京藝術大学大学院 自分の体を見つめ始めた。自身の乳腺増殖症をきっかけに、女性として今まで経験したことを考え始めた。「どうして女性が出産しなければならないのか」、「どうして生理が恥なのか」…女性として感じる様々な「石」は常に私を痛めている。しかし、私はその無限ループの夢の中で絶えずこういう「石」を砕く。何回も、何回も、砕く。 作家についてのお問合せ 審査員コメント 作家自身のトラウマ的な体験を深く掘り下げる「告白」は、多くの女性にとって共通の記憶や感情を呼び起こすことだろう。絶えず石を砕くという描写は、一種のトラウマケアとして機能していく。こうしたメディテーション的な心象風景を表現するにあたって、水彩のにじみ、色鉛筆、パステルなど画材や絵具の特徴を巧みに使い分けていることも評価したい。 塚田 有那 編集者/キュレーター ダイナミックなアニメーションを使って、自らの身体のことをテーマを力強く描いているところに非常に好感を持ちました。作者にしか描けないストーリーではありつつも、女性という観点からは普遍的なものに昇華されているところが素晴らしいと思いました。自己の内面的な苦悩が、観念的なままに描かれる作品も多いなか、生々しい身体性に根ざしたところから展開されていることに新鮮さを感じましたし、また、画面は水彩画のような質感ですが、淡さや儚さより、むしろ、人肌や細胞、血の生々しさを感じさせる質感に感じられたところも素晴らしく思います。最後、自らの身体のどうしようもない不自由さに悩まされながらも、それに抗い、現状を砕き壊し、乗り越えようとするストーリーは頼もしく思え、作者の姿勢に爽快さを感じました。 大塚 康弘 ディレクター/株式会社デジタル・フロンティア 2023 アート&ニューメディア部門 映像&アニメーション部門 ゲーム&インタラクション部門 パートナー賞 2022 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ表彰 2021 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ表彰 2020 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ賞 2019 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ賞 2018 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ賞 2017 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ賞 2016 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ賞 2015 アート部門 エンターテインメント部門 パートナー賞・ナレッジ賞 2014 受賞作品
作家自身のトラウマ的な体験を深く掘り下げる「告白」は、多くの女性にとって共通の記憶や感情を呼び起こすことだろう。絶えず石を砕くという描写は、一種のトラウマケアとして機能していく。こうしたメディテーション的な心象風景を表現するにあたって、水彩のにじみ、色鉛筆、パステルなど画材や絵具の特徴を巧みに使い分けていることも評価したい。
ダイナミックなアニメーションを使って、自らの身体のことをテーマを力強く描いているところに非常に好感を持ちました。作者にしか描けないストーリーではありつつも、女性という観点からは普遍的なものに昇華されているところが素晴らしいと思いました。自己の内面的な苦悩が、観念的なままに描かれる作品も多いなか、生々しい身体性に根ざしたところから展開されていることに新鮮さを感じましたし、また、画面は水彩画のような質感ですが、淡さや儚さより、むしろ、人肌や細胞、血の生々しさを感じさせる質感に感じられたところも素晴らしく思います。最後、自らの身体のどうしようもない不自由さに悩まされながらも、それに抗い、現状を砕き壊し、乗り越えようとするストーリーは頼もしく思え、作者の姿勢に爽快さを感じました。