Latent Space Explorer
アプリケーション|2022
私は計算機を思考する人間の思い通りに操作する道具として扱うのではなく、思考を拡張するための道具として捉えることで、個人の表現の幅を拡張することができると考えている。例えば、アルゴリズムによるシミュレーションや機械学習の推論は曖昧で不明確なプロセスを探索することであり、その偶発的性質から人間に気づきを与えることがある。この思想を非プログラマのデザイナーにも共有することが計算機とデザインの関係性を考えていくうえで重要だと思い、本デザインプロセスを考えた。このプロセスではデザイナーはアルゴリズムによって生成された画像より、独自の視点から気が付いたり思いついた形を見出し、新しい気づきを得て椅子のデザインを行った。今後、計算機を創作に用いる手法がより発展し、個人の表現に大きく影響するような深い気づきを与えられる存在になれば、さらに創作における計算機の役割について検討することができるだろう。
デザイナーがあるモノのデザインを考える場合に、そのモノの機能やマテリアル、既成概念などによって、知らないうちにデザインのアイデアの幅を狭めてしまっているかもしれない。このツールではコンピュータによって人間の思考とは全く異なるプロセスよって様々なデザインの形態を提示し、デザイナーがこのツールを用いる事で、人間だけでは思いつくことが不可能な、新しいデザインを生み出すことができるかもしれない、という可能性を感じました。