ENTERTAINMENT DIVISION BRONZE
『ハムレット』の登場人物、ジョン・エヴァレット・ミレーによる絵画がインスピレーションとしてうけったことです。溺れる前、空に見ている姿。男性と女性、羽と鱗、鳥と魚、死体と角隠しを使って対立や不安を表現し、2人が一緒になろうとする意志を強調しています。光と不思議なクラゲは、2人が一緒になることの美しさを象徴しているのです。 しかし、その結末は主人公たちの意志によって動かされるものではなく、世界に永遠はないのです。 繁栄と失敗、自然の法則に逆らうものには、間違った方向への最善の努力も無駄です。ハッピーエンドはなれないのです。
深海を舞台にした、はかなくも美しい作品。キャラクタやアセットの一つひとつのデザインや造形にこだわりが感じられ、作者の独特の感性がうかがえます。また、ライティングやエンバイオロメントにも気が配られていて、作品全体の世界観を盛り上げる効果を発揮しています。テクニカル的には、もう一歩、水中感が欲しいかな、など思うところもありますので、そこが解消されると、さらに背景世界への没入感が高まり、魅力が増すとではないでしょうか。しかし、その荒々しさも魅力のひとつになりえるベースの強さに、今後期待したい作品だと感じました。