Hack_action!!

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インタラクティブアート|2023

尾和 優多

長岡造形大学

PARTNER AWARD

Twitter上で名前が呟かれると、「噂」をされてくしゃみをするインタラクティブアート。3つの「くしゃみマシン」にはそれぞれ名札(本作品名、現在のトレンドワードなど)が付いており、それぞれの名札に書かれたワードが現在Twitter上でどれくらい話題になっているかをくしゃみの頻度に見ることができるようになっている。大学生活で利用する機会が多かったSNS、Twitterだが、利用しているとそのネットワークの広大さ、匿名性、流行の移り変わりの速さ故に、強い疎外感と恐怖感を感じることがある。一方で、いいねやリツイートなどにより、全く知らないところで自分に意識が向けられているということの面白さ、希望も同時に存在している。この真逆とも言える感覚が混在している状況が魅力的であると感じたため、それを実際に目に見える形で表現することに挑戦した作品である。

審査員コメント

  • くしゃみは突然やってくる。自分ではコントロールのできないくしゃみを、その生理的なメカニズムを調査して、機械的なメカニズムに置き換えることにより、繰り返し起こすことができる「くしゃみマシン」の登場である。仕組みと仕上げの精度もさることながら、くしゃみ独特のこもった音を、ブラジルの楽器「クエーカ」で表現したことには感心した。作者のユニークな着想力は、噂をTwitter上の「囁き」と捉え、社会的な次元を取り入れたところにも感じる。人類最古のメディアと言われる「噂」が、高い技術と詩的想像力そしてユーモアの結合により、21世紀のインタラクティブアートとして息づいている。

    港 千尋 写真家/多摩美術大学情報デザイン学科教授