Low Vision Boxing

Low Vision Boxing

インタラクティブコンテンツ|2023

筑波大学 デジタルネイチャー研究室 Low Vision Boxing制作チーム 山本 健太, 筒井 彩華, Zhao Yinan, 鈴木 一平, 田中 賢吾, 落合 陽一

筑波大学

ゲーム&インタラクション部門 最優秀賞

GAME & INTERACTION DIVISION GRAND PRIZE

視覚障害者は日常で運動不足という課題に直面している。また、他者との対戦が難しいため個人運動を選択する傾向がある。そこでこの課題をより広く認識してもらうために、弱視者のためのLow Vision Boxingを提案する。Low Vision Boxingは、弱視者がボクシングにおいて直面する課題を発見・解決し、スポーツアクセシビリティを拡大するように設計された新たなボクシングデザインの提案である。まず弱視者の当事者へのヒアリングを行い、当事者が期待するボクシングデザインの要件を詳細に把握し、それに基づいて各要素の設計を行った。対戦相手の位置を識別できるよう、胸の中心部分にライトを装着する工夫を施し、当事者でも相手の位置を瞬時に把握できるようにした。次にグローブや脛当てにLEDライトを取り付けることで、攻撃の動きをより明瞭に認識できるよう改善した。光源に関しては、各々独立した電源を持ち、装着者が制約なく動き回ることができるよう設計されている。この体験から、視覚障害者でも多様な活動が可能であるという理解を深めていただき、視覚障害者が参加可能なジムやその他の施設が増加することを目標としている。

審査員コメント

  • 着想も実装結果も大変興味深く、とても良いプロダクトだと思いました。理想としては「健常者よりも弱視者の方が体験として豊かなものになる」という結果を出せるとベストだと思いますので、そこがさらに磨きのかかったものになることに期待しています。我々ゲーム分野が得意とするインタラクティブ性においては、パンチがヒットした際にヒット部分を大きくフラッシュさせる等、リアルタイムな爽快感を目指すとさらに良いプロダクトになるかなと感じました。大きな可能性を秘めた作品です。

    北尾 雄一郎 ジェムドロップ株式会社 代表取締役/スタジオディレクター