私はダンスを4年前から、ほぼ毎日練習している。そのおかげか体の動きは情緒と強く結びついていることを意識している。体で感じた力と速度の変化が感情的なコミュニケーションとして、アニメーションを作る時に深く繋がっている。
どんなに小さな動きにも豊富な感情を入れることができると思う。人の情緒の繊細さや複雑さはどのようにしてアニメーションとして表現するのか、それぞれの情緒を描写するため、どんな道具を使用するのか、どんな色や線で描写するのか。楽しみ、悲しみ、怒り、迷い、神秘、興奮、失望、緊張、それぞれの情緒を分析して、面白く意外性を感じられる、クオリティー高く描写することが私の一つの課題であると考えて作品を作り出した。
有機的に揺らぐフォルムが魅力的なアニメーションから始まり、リズムに乗せて様々な表現が入り混じる展開に至っていく意外性に驚きつつも、次は何を見せてくれるのかという期待を抱きながら流れに乗せられていく有無を言わせぬ力強い作品。
抽象が具体となり、再びフォルムを失って抽象に戻っていく流れが美しい。
ダンスパートと呼んでいいのだろうか、リズムを視覚に置き換えたような切れのある肉体の動きと、そのフォルムの極端なデフォルメに魅せられた。