落語空間おちば
メディアパフォーマンス|2024
田川 直樹 中山 亘, 上運天 英蔵, 春風亭 昇吉, 笑ってみ亭 じゅげむ, 松浦 雄一郎, 飯田 紅葉, 木村 真生, 堀江 優菜, 安西 里織, 中川 豐, 沼口 佳代, 藍野 友輝, 今井 優佑, 鹿野 陸人, 高橋 侑臣, 中川 功大, 本多 響
東京大学大学院
作品Webサイトhttps://youtu.be/F0zdEp4JdQU?si=Tl4EQrE_xVOF5tDs
作者Webサイト https://camp-fire.jp/projects/784894/view?utm_campaign=cp_po_share_c_msg_mypage_projects_show
都市に落語没入空間をデザインし、まちなかに落語が溶け込んだ日常を描くプロジェクト。かつて道端での小話から始まった落語の原風景を現代都市に再現して新たな都市体験を創出する。
落語は語りによって膨らむ想像力で楽しむ芸能であるが、騒音や視覚的ノイズ、通行人がある都市空間では語りだけでは没入体験を生み出すことが難しい。
そこで、都市に即興でおちのばを作るための操作として、寄席の要素を再構築した。木戸や高座などの建築的再構築と囃子や屏風などのメディアの再構築によって、空間的、時間的、意識的に新たな場を生み出す。
六本木のビル群を背景とする屋内実験公演と丸の内のビルの合間を使った本公演を通じて、映像のゆらぎや風になびく什器、通行人が演目と不意に重なり想像ではたどり着けない都市との共鳴を実現した。
没入体験型シアターが世界的に流行する中、本作はその先をゆくエンターテイメント空間創出の挑戦である。しかも江戸の昔が起源の落語を没入空間としてデザインするのだから、マクラとしても魅力的。本題は東京のど真ん中、六本木や丸の内の高層ビルの谷間で展開する公演だが、落語を建築メディア的空間として分析、再構成する手腕は秀逸であり、もともとアナクロニズムの構造をもつ日本の大都市に無理なく溶け込んでいる。騒音や通行人の介在といったノイズがハードルとなるところを、噺家とのコラボレーションで乗り切るところも頼もしい。IT化した劇場都市の提案としてもリアリティがある。ロンドンやパリ公演でヤンヤの喝采を浴びれば、革新的なオチとなるであろう。