あたらしいげんばく展
その他|2024
中村 涼香 金 達也, 黒田 夢奈, 渡邉英徳研究室
上智大学

ART & NEW MEDIA DIVISION GRAND PRIZE
作品Webサイトhttps://know-nukes-tokyo.com/event
作者Webサイト https://know-nukes-tokyo.com/event
これは、広島と長崎の話でも被爆を経験したおじいちゃん、おばあちゃんの話でもありません。今、私たちの隣にある12,000発の核兵器の話です。
あたらしいげんばく展は“現在の核の脅威”に焦点を当てた企画展です。広島や長崎に直接行って感じること・学ぶことは多く、核保有国のリーダーたちでさえ、現地において「核兵器のない世界」を願っています。しかしそれは裏を返せば、被爆地に行くことがなければ、核兵器の脅威を知ることが困難である、ということでもあります。
そこで「どうしたら、核兵器をなくしたいという思いをより広く世界中で共有できるか」について考え、人ではなく資料館が移動できたらいいのに、という着想のもと、今回の展示の実施に至りました。「あたらしいげんばく展」は、東京大学の渡邉英徳教授協力のもと、アートやテクノロジーを駆使した展示内容になっています。4日間で約1000人の方に来ていただきました。
核兵器廃絶は戦後80年を迎えた今日でも実現には程遠い状況にあるが、この作品はそれに対して可能な取り組みを、企画展として実現している。深刻なテーマだが、会場が賑やかなのがとてもよく、観客からの意見を反映する工夫も効いている。タイトルの「あたらしい」はARのような技術的な新しさだけでなく、資料館そのものを移動型にするというアイデアにある。核兵器が実際に使われたらどうなるかを、被爆地以外での展示体験を通じて知ることは、核の脅威から安全な場所はないという厳然たる事実を知ることでもあろう。被爆体験者の高齢化と記憶の共有という課題に応えるものでもあり、時代の変化にアクチュアルに対応している点も含め、高く評価された。