仮想通貨ルンルン
メディアアート|2024
ゑゑ
多摩美術大学
□経済ルールで伴う「価値の変動」を可視化するプロジェクト
現代社会では、身体の行動や状態がデータとして記録され、それらが価値として換算される仕組みが広がりつつある。
しかし、そのプロセスはしばしば不透明であり、私たちはその背景に潜む矛盾や課題に気づきにくい状況にある。
仮想通貨ルンルンは、スマートデバイスを用いて、作者の健康データをリアルタイムで記録し、通貨価値へと変換するシステムを持つ。
このプロジェクトでは、デジタル経済時代における「価値」とは何か。
また、それがどのように定義され、誰がその価値を決めていくのか問う。
仮想通貨ルンルンという無形の通貨を通じて、デジタルデータが身体とインタラクティブに接続されることで生じる矛盾や、新しい価値観が形成されるプロセスを浮き彫りに
する。さらに、デジタルデータという不可視かつ不透明なメディアが身体と直結した時、私たちはどのような選択をし、どのように生活を営むのか。未来の可能性から、デジタル時代における新たな意思決定や現代の価値を想像する視点を広げる。
この作品を見たとき、「生きることが全肯定されている」と感じました。生きていること自体が価値となるという発想に、仮想通貨を通じた価値の代替としての可能性を見出し、このようなアイデアを生み出せる着眼点に感心しました。審査の際には、このシステムが実際に社会実装されたときの影響を想定しながら、ワクワクする気持ちとともに「自分の健康価値はいくらになるのか」「そのとき自分は健康でいようとするのか」など、さまざまな意見が交わされました。一方で、難治の病を抱えた場合や加齢が進む過程において、別の価値を付与できる仕組みがあれば、健康やライフタイムに対するさらなる価値の変容が生まれるのではないかと考え、今後の発展に期待が高まります。この作品は、さまざまな展開を引き出す非常に魅力的なものだと思います。今後の作品も楽しみにしています。