生活の痕跡
インタラクティブコンテンツ|2024
松尾 凛音
多摩美術大学
PARTNER AWARD
「生活の痕跡」は、日常の中で見過ごされがちな瞬間の美しさを再発見することを目的とした作品です。インタラクション、映像、冊子の3つのメディアを通じて、日々の生活に散りばめられた小さな痕跡に焦点を当てました。
私たちは日々、忙しなく生活に没頭し、些細な瞬間を意識することなく過ごしています。
この作品では、そんな見過ごされた時の痕跡に目を向けました。
例えば、使い終わったティッシュや、ポケットから出てきた古いレシートなど。
私たちの日常生活に散りばめられた些細な痕跡からは、過ぎ去った時の存在や感情が思い起こされます。
些細な時がどれほど儚く、尊いものであるかを伝えると同時に、
時間の流れの中で消え去ってしまう一期一会の大切さを伝えるための作品です。
日常の中で人知れず消えていく痕跡に光を当て、個人の記憶を留めようとする視点は、詩的でありながらも強いメッセージ性を持っている。人の営みが生み出す小さなさざなみのような変化を捉え、それを可視化することで、かつてそこにいた誰かの存在が静かに浮かび上がる。これは、古本に書き込まれたメモを読み、その持ち主を思い描く感覚にも通じる。また、プロジェクションマッピングやNFCタグといったメディアテクノロジーを活用し、痕跡を再構築する手法も興味深い。単なる記録にとどまらず、体験としてデザインされている点が評価できる。さらに、ウェブサイトによる作品のプレゼンテーションも効果的で、統一感のある形でコンセプトを表現できている。