The You You Are ~別世界の自分と話せる公衆電話~
インタラクティブアート|2025
Team UUR 薛 博文, 小野 源太, 姚 思妤, 吉田 翼 , 王 文鶴
東京大学大学院
GAME & INTERACTION DIVISION EXCELLENCE AWARD
PARTNER AWARD
The You You Areは、別世界の自分と対話ができる公衆電話である。
受話器を手に取ると、自分と同じ声でしゃべる「異世界の自分」が現れ、通話できる。
実質的には自分とは全く別の人生を歩んでいる他者が、自分の声で語りかけてくることで、どこか自分のように感じられる。そうした自と他の間にある存在との対話を通じ、自分ごとと他人ごとの曖昧さを探る。
あえて音声のみの体験とすることで、体験者が想像する余白を残し、対話相手の存在感がより高まるように設計している。
公衆電話にある「どこか知らない場所と繋がるかもしれない」というイメージを借り、異世界と繋がる体験に説得感を持たせた。
本作は、自己と他者を切り分ける境界を固定的に捉えるのではなく、相互作用の中で揺らぎ続け、他者や環境との関わりの中で生成されるものとして提示する。
別世界の自分と対話できるという発想が極めて独創的で、自分の声を使いながら「他者」と向き合う不思議な体験が強い印象を残す作品です。公衆電話の分解・改造、ボイスクローニング、高速LLMの組み合わせなど、技術面の完成度も高く、音声のみで想像の余白を生む設計がテーマと美しく一致しています。「自己と他者の境界の揺らぎ」という哲学的な問いを、遊びと体験として見事に提示している点も秀逸。デモ映像がややSF寄りだった点は惜しいものの、作品としての可能性は非常に大きく、深い余韻を残す表現でした。