それ私が代わりにやっておきます
インタラクティブコンテンツ|2025
豊田 ゆり佳
東京藝術大学
PARTNER AWARD
作品Webサイトhttps://drive.google.com/drive/folders/1OiB2NsGLpN6W3A2RffQLBLr9mLjFMtmg?usp=sharing
作者Webサイト https://knowledgeable-lion-hrmjjd.mystrikingly.com/
本作品は、観客がパソコンに入力した指示をパフォーマーが実行する参加型パフォーマンスです。ただしパフォーマーは必ずしも従う必要はなく、拒否する選択肢も持っています。この構造は、単なる命令と服従の図式ではなく、両者の間に常に交渉や駆け引きが生じる場をつくり出します。作者の振付家とダンサーとしての経験から、舞台上での「他者を動かすことの快楽と責任」「従うことによる主体性の揺らぎ」という感覚を作品の中核に据えました。入力される指示は単純な動作から曖昧な要求まで多様であり、パフォーマーは応答するか拒否するかを選び取ります。その一挙手一投足が観客との関係を変化させ、互いの立場を絶えず問い直す契機となります。観客は他者を動かす背徳感と拒否される違和感を同時に味わい、パフォーマーは応答と拒否の選択を通じて自らの主体性を確かめます。本作は、人間関係に潜む力学を可視化します。
観客とパフォーマーの間に生まれる力学を可視化し、「他者を動かす快楽と責任」という繊細なテーマに踏み込んだ野心的な作品です。電子掲示板を介することで物理的距離が生まれ、指示に従う・拒否するという行為に独特の背徳感や違和感が付与される設計が非常に巧み。約1,000件もの指示データを集めた実績は説得力があり、ゲームデザイン的な検証プロセスや危険性への配慮も丁寧に行われています。対話構造に独自性を感じさせる完成度の高い作品です。