積み字

積み字

インタラクティブコンテンツ|2025

金井田 誠悟

多摩美術大学

積み字は、フィジカルな行為とタイポグラフィを接続したインタラクティブ作品である。文字の積層が生む量感を手がかりに、「ことばの重み」を数値と音で受け取る。展示台に内蔵した重量センサーが総重量を計測し、その変化をリアルタイムにフィードバックすることで、体験者は意味ではなく手触りから文字に触れていく。本作が扱うのは、ふだん見過ごされがちな領域だ。文字は読むものとして消費され、形や重さや響きは意識から退く。積み字は、字形の輪郭、手触り、重さ、響きの連なりによって、文字を記号ではなく身体感覚を伴う存在として捉え直せるように構成した。展示台の構造とセンサー配置は安定性と操作性を優先し、説明書やルールに頼らずとも「積む」というシンプルな行為だけで成立する設計としている。

審査員コメント

  • 遊ぶ人が、文字とインタラクションして言葉を紡ぐことで、その言葉の意味を探究していけるような作品。大デジタルデバイス時代では、言葉や文字は、書いては消してというように、簡単に消費されるようになりました。そんなデジタルデバイスの世界と反対に、積み字では、文字のひとつひとつを丁寧に積み上げて、言葉をつくっていく。それは、文字が本来持つ情報の重みや奥深さに気づいていけるような体験だと思う。そんな難しい捉え方もできれば、アートオブジェクトとして飾ることで文字の美しさを感じたり、好き・嫌いの重さを計って思いを馳せてみたり、はたまたジェンガのように遊んでみたり、直感的に色んなことができそうな作品のポテンシャルを感じました。

    柳 太漢 デザインディレクター/アクセンチュア ソング