おばけ猫のレシピ

おばけ猫のレシピ

短編アニメーション|2025

はるおさき

東京藝術大学大学院

映像&アニメーション部門 最優秀賞

PARTNER AWARD

VIDEO & ANIMATION DIVISION GRAND PRIZE

今作は「最愛が亡くなった後も愛し続けるという信念を持ち続けることで、死への不安や恐怖が和らぐこと」をコンセプトとして制作。 本作は、自身の誓いであると同時に、大切な存在の死によって生じた絶望を受け入れるための試みでもある。 しかし、それは私的な内面を記録した映像ではなく、外に向かって開かれた「レシピ」をアニメーションとして提示することを目標としている。 レシピは誰にでも再現可能であるが、人々はそれぞれ異なる環境や手段のもとで実践せざるを得ない。 再現に必要な条件を完全に整えることは困難であり、レシピは常に不完全な状況の中で用いられる。 本作はそのレシピを鑑賞者に提示するものである。同時に、私の関知し得ない場所においてもレシピが用いられることを想定し、表現の余白を追求した。

審査員コメント

  • 飼い猫のPEBUが亡くなった深い悲しみを、美しく綴った夢の中のような物語。
    日本の港町や田舎町の風景の中に、自然で愛らしい描写とともに、その場所の空気の流れまでも感じ取れる。一つ一つの画面の美しさには息を呑み引き込まれる。主人公(作者)が亡き飼い猫Pebuへ寄せる愛情と深い悲しみが、強く、静かに伝わってくる。彼女はいつもPebuの影を追っている。まるで、いつものようにそこにいるのではないかという感覚が、映像の中に非常にうまく表現されている。この監督の演出力の高さを評価したい。
    猫の動きも的確に捉えられており、手書き風の描写や光の表現における画力も高い。シンプルで美しく、何度も見返したくなる作品である。

    伊藤 より子 アートディレクター/ビジュアルデザイナー/エデュケーター/コンサルタント