Tactus
インタラクティブアート|2025
ナカダリオ
ルネサンス高等学校
作品Webサイトhttps://www.tactus.jp/
作者Webサイト https://www.tactus.jp/
「Tactus」は、作者自身の感覚過敏の体験を起点に、音と身体感覚の新しい結びつきを探るMR作品です。無重力空間を漂う水のようなオブジェクトに触れると、その形や響きが変化し、視覚・聴覚・身体動作の相互作用によって、あたかも「音に触れている」ような感覚を喚起します。触覚デバイスを用いず、クロスモーダルな錯覚を設計することで、日常には存在しない感覚体験を創出している点が特徴です。本作は、音を物質のように扱えるインターフェースを通じて、感覚の枠組みを拡張し、テクノロジーとアートを媒介に人と世界の関係性を問い直す試みです。
異なる感覚が影響し合うことは日常的に体験することだが、本作はこの感覚の〈クロスモーダル〉を利用し、音に触れているように感じるという非日常的体験を作り出している。MR技術により、空間に浮かぶ水の塊のようなオブジェクトに触れると、形と響きが変化する。視覚・聴覚・身ぶりの相互作用が脳内で「音に触っている」ような錯覚を引き起こす。前作の課題を元に、水のオブジェにはAIベースの流体シミュレーションを導入、一から設計し直して、インタラクションの精度を大きく向上させている点も高く評価される。作者自身の感覚過敏を背景としながら、わたしたちの感覚世界の複雑さに気づかせるアートであると同時に、世界各地で進められる没入感のデザインにとっても、刺激的な研究となるであろう。